2020年3月14日土曜日

大崎市「東鳴子温泉 田中旅館」《廃業》

2008年1月,日帰り入浴。お勧めです。廃業2009年6月で廃業しました。

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 「東鳴子に田中あり」といわれているものの,なんとなく敷居の高かった田中旅館を訪れました。東鳴子を通るたびに建物は見ていたのですが,今日も相変わらず人の気配があまり感じられない様子。でも,駐車場にはそこそこ車がとまっています。

 建物に入ると,すぐ右に帳場はありますが,誰もいません。入浴料200円を置いて,中へ進みます。噂に聞いていたとおり,なぜかロビーにはブランコが。混浴の大浴場や女性用の浴室,貸切風呂の他に宿泊者専用のものなど,いくつもお風呂があると聞いてはいたのですが,まずは大浴場へ。

 大浴場には脱衣所が2つあるのですが,特に男性用・女性用に分かれているわけではなく,また隠すような衝立もないことから,難易度の高い混浴だと思います。とはいえ,共同浴場的な使われ方をしている田中旅館では,あまり気にするような人もいないようです。

 浴室に入ると男女それぞれ2~3名づつ,すでに入浴していました。お昼時なので,多少はすいているのではないかと予想していたのですが,外れました。浴室の真ん中には,中庭のようなスペースがあり,そこから陽が差し込むようになっています。脱衣所から入って,左側には中庭にくっつくように三日月形の浴槽が,右側には壁にくっくつようにアメーバ形の浴槽があります。それぞれ,浴槽の形と湯気で,奥までは見渡せません。

 まずは,左側の三日月形の浴槽に浸かってみます。ちょっと熱めのお湯でピリッとします。濁った灰色のお湯で,白くて細かい湯の花が舞っています。湯船の底を攪拌してみると,大き目の黒い湯花が舞い上がってきました。そんなに強い匂いもなく,口に含むとアブラのべとっとした感じが若干。

 しばらくして,もう一つのアメーバ形の浴槽へ。こちらは少しぬるいくらい。さらに少しは色つきがあるのかもしれませんが,透明なお湯。匂いや口に含んだときの感触は同じ感じでした。ぬるいくらいだったものの,しっかり暖まり,お湯の実力の高さを実感します。こちらの浴槽は,端の部分が区切られて,小さな浴槽が作られていますが,ここは大きな浴槽に貯められたお湯が流れていく仕組みになっているようでしたので,浸かりませんでした。

 なお,常連客らしき人たちが会話していたのを聞いていたら,こっち(三日月形)は腰痛などに効き,あっち(アメーバ形)は胃腸などに効く。また,(三日月形の湯船に入りながら)お湯を入れ替えた後は,こんな感じの細かく白い湯の花が舞うんだ,とのこと。脱衣所には2つの源泉名が記載していたので,それぞれ別源泉の浴槽なのでしょうか。

 すっかり温まったため,他にあるという浴槽は見ずに帰りました。怖さはありますが,泊まってゆったり湯めぐりも悪くないかもしれません。

(田中旅館の外観
入り口は二つありますが,こちらから入ります)

(噂のロビー。なぜかブランコがあります)

(大浴場-アメーバ形の方の浴槽)

(同じ浴槽を逆側から見て。中庭から陽がさしています)

(大浴場の天井
 湯気が上手く逃げるようにしてあります)

(アメーバ形の浴槽のお湯。白と黒の湯の花です)

(大浴場の真ん中にポッカリとある中庭)

(大浴場の三日月形浴槽
 冬は湯気で上手く撮れません)

(お湯の注ぎ口。堆積物は良い感じです)

(宿泊棟の流し(?)で,源泉が出しっぱなしになっていました)

【温泉の情報】
東鳴子温泉 田中旅館
宮城県大崎市鳴子温泉字鷲ノ巣24

混浴大浴場,貸切浴槽 ほか
ナトリウム-炭酸水素塩泉
[源泉名/田中温泉源泉(土蔵わき),田中温泉源泉(堰向かい)]


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