2019年9月20日金曜日

猪苗代町「横向温泉 中の湯旅館」

2005年6月,日帰り入浴。

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土湯峠にはいろいろな温泉がありますが,横向温泉も特徴的な温泉です。ここには数件の宿があり,「中の湯旅館」は「マウント磐梯」と同系列ながら,徹底して湯治客用に特化しており,外見も相当年期の入ったものになっています。

宿への道も距離は長くはないものの,舗装されていない部分もあったりと,ふらりと立ち寄るような場所ではなさそうです。脱衣所・湯船共に一応男女別にはなっていますが,行き方によっては女性用の脱衣所へは男性用の脱衣所を通って行くようになります。また,男性用の浴室と女性用の浴室を隔てる壁の一部が開けられた状態になっており,ある程度自由に行き来できるようになっています。

脱衣所にも混浴的な湯船だと書かれていました(「的」というのが良いですね)。

このような不思議な構造になっている理由が,混浴的な男性用の浴室には2つの湯船があり,それぞれ異なる源泉が注がれています。

入って右側の湯船にはぬるめの源泉が注がれており,こちらの方が効能が強いと言われているようです。右側の熱めの湯船は女性用の湯船と同じ源泉が注がれていると思われ,効能の強いぬるめの湯船に浸かれるように女性用と男性用の浴室が繋がっているのです。

女性用の浴室は2面が外に面しているため,明るい感じがします。反面,混浴的な男性用の浴室はあまり外から光が射し込まず,少し薄暗い感じがします。湯船に浸かっている人たちは,あごのところまでお湯をつけたまま,ひたすらじっとしています。湯船に注ぐ音だけが浴室に響き,なんか時間が止まったような感じがしました。

女性用の湯船には茶褐色の湯の花が舞っていますが,男性用の熱めの湯船にはあまり見かけませんでした。同じお湯なのでしょうが,光の当たり方が違うため,異なるお湯のような印象を受けそうです。口に含んでみると,少し薄めの味がします。

お湯の表面に鼻を近づけると,コケのような臭いがします。 熱めのお湯ということですが,他の温泉で考えると十分ぬるめです。じっくり入っていると,徐々に徐々に体の奥からあたたまってくるような感じがします。

ぬるめの湯船の方は,なかなか浸かる場所が空かないのですが,40分くらい待っていたところで人が上がりました。どれどれと入ってみると,想像以上にぬるめ。支倉旅館の源泉槽ほどではないものの,あたたまっていた体が落ち着いていくのが判ります。

注ぎ口にコップが合ったので,一口飲んでみましたが,強烈な味・風味。まるでドブのような匂い(?)がします。ほとんど飲まなかったのですが,ずっと口の中に後味が残る感じがします。浴室内に清水が注がれていたので,すぐ飲んだのですが,臭みは消えませんでした。

帰る途中も後々まで味が残ったほどです。こんな強烈な味の温泉は初めてです。


(「元湯 中の湯旅館」という 石碑が2つ。歴史を感じます)


(数百メートルの砂利道の後,宿の建物が見えてきます)


(女性専用の内湯です。2面が窓なので,比較的明るい浴室)


(湯船からお湯が溢れています。ぬるめですが,気持ち良い~)


(一応,男性用の内湯 。右手前の湯船が一番ぬるい
 空いているところから, 女性用の浴室に行けます)


(昼間ですが,少し薄暗い浴室。ぬるい方の湯船側には,岩の壁があります)


(お湯は少し濁っている感じ。細かい薄茶色の湯の花が舞っています)


(美味しいお湯を飲んだ後は(笑),浴室に注がれている湧き水で口直し)



【宿の情報】
横向温泉 中の湯旅館
福島県耶麻郡猪苗代町若宮中ノ湯甲2975

男女別内風呂(①),男女別露天風呂(②)
①単純温泉,②硫黄泉 [源泉名/①赤湯の三番の湯,②不明]

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